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選挙に行かないと政治に文句を言う権利は本当に無いのだろうか?

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昨日、第48回衆院選の投票に行ってきました。

結果はだいたい予想の通りでしたが、今回特にいろいろ思うところがあったので、自分にとっての選挙や政治というものを振り返ってみようと思いました。

 

ちなみに、私は35歳アルバイトで独身です。また、政治や社会問題に関する知識は乏しく、不勉強なほうだと思います。ただ、そんな私にも、指定の地域における候補者と支持政党を選んで1票を投じる権利があるわけで、そういう自分の視点から思ったことを書きたいと思います。

 

今回の投票率

今回の投票率は53.6%で、戦後2番目に低い水準だったそうですね。

ただ期日前投票者数は過去最高で、当日は、やはり台風によって天気がよければ行ったのに行くのをやめた人がいる、もしくは、選挙当日の天候不良を考え、元々確実に投票する人が別の日に流れたとも読めるかもしれません。

私としては、台風でなければ、もうすこし伸びたのかなあという印象でした。

 

選挙権があり、選挙に行かない人の理由は?

選挙に行かない人の理由はおそらく
・面倒
・よく分からない
・自分一人が投票したところで何も変わらない

というところだと思います。そして、そういう人への批判をたくさん見ましたが

 

でも実際、政治って難しくないですか?

投票所に行って投票するという行為は、たぶん多くの人にとっては物理的に難しいことではありませんが(一部難しい人もいると思いますが)、ではいざ投票しようとするにあたり

・どの政党がどんな主張をしているのか
・自分の選挙区の立候補者にどんな人がいてどんな主張をしているのか
・その主張は実現可能なのか
・みんな「やりたい」ことしか言わないけど、「できない」ことは何だろうか
・著名な人たちの言う主張が各々真逆だったりするけど、何が正しいのか
・一票の格差をどうしたらいいのか
・小選挙区比例代表制のメリット,デメリット

こういったことに対して明確な自分の考えを持つというのは、けっこう勉強が必要だよなあと思います。

 

現在まで生きてきて、自分の日常で、こういう会話がなされる機会はけっこう少なかったなあと思いますし、現状においては、家庭以外ではほぼ皆無です。

また自分も、絶大な自信を持って投票したわけではなく、現段階で、人として信頼できるな・信頼したいなと思う人と、そういう人が率いる政党に投票しましたが、その思いが揺ぎ無いとは言い切れません。政治はやはり難しい、複雑だと思います。

実際投票した人で、そういう方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

自分なりに普段から興味を持ち、考えて投票をしたうえで、私はこういった投票に関する一連の流れについて、
「面倒」だとか「興味がない」とか、「実際報道されていた予想どおりの結果になったから、自分が投票したところで意味が無い」
と思う人がいることは、私にとって全然不思議なことではありません。

 

この日本に生き、(現在または過去に)働き、税金を納めているうえで、私自身も難しいなあと思う選挙に、行かないという選択をする人たちに対し、行かなければ政治に対する発言権は無いとは、昔から言われていますが、いささか厳しい指摘ではないかなあと思いました。 

 

危機感の感じ方

実際、有権者のおよそ2人に1人しか投票しないということは、目の前の現状に危機を感じない人が半数以上であるということに他ならないと思います。(投票した人の中にも、政権が安定して安心だという人もいるでしょうし。)

 

明日の食料が無いわけではない、どころか、今の日本に住んでいて、餓死する可能性は低く、インフラの素晴らしく整った環境で、選ばなければ仕事にも就ける(という人が比較的多い)。現状に不満はあれど、忙しい日常の中で、それでも5年後10年後のより良い社会をつくるために政治や社会問題について考えた末、投票に行こうという人を飛躍的に増やすことは簡単ではないと思います。

 

権利を使おうという提案の方法

私は、そこそこ複雑で難しい選挙は、そもそも国民に対して優しくないのに、それに行かないという選択をする人に対する「じゃあ文句言うな」という類の、ある種の冷たさに違和感をおぼえます。

それなら、選挙近くになると「○○党に投票して」と電話をかけてくる人のほうが、“持っている権利を使おうという提案”としては、ずっと優しいんじゃないかと思います。

そして、政治とは、それが正しいかどうかは別として、どれだけ支持者がいるのかという「数」がものごとを動かすので、選択肢を持たないまっさらな人に、優しく平易な提案をして、支持をしてもらうのが、やりたいことを実現する近道なのだと思います。そういう人たちが勝っているのだと思います。

 

呼びかける・批判するだけではなくできること

 今回改めて、選挙は複雑だし、こんなにも急にいろいろ勉強しなくてはいけないのか!と思ったのですが、以下のようなサイトを、もっと自分も読んだり、人に紹介したりすればよかったなあと思いました。

 

NPO法人Mielkaの徐東輝さんは、「より合理的に、もっと楽に意思決定を」というコンセプトで、「JAPAN CHOICE」というサイトを作っていらっしゃいます。 私は今回投票直前に知りました。

まさにこの方のおっしゃっていることが、日本人の政治に対するイメージに対しての優しい提案だなあと思いました。かなりポイントを絞っていて、自分の地域以外の選挙区の情報も一目瞭然で、選挙が終わった今も、各地域の当選者の情報が分かりやすいです。実際twitterで、今回の選挙でこのサイトを使ったという声もたくさんありますね。

 

もっと前からあって、自分がこれまでにもよく見ていたのは津田大介さんの会社『neo-logue』が運営するポリタスですね。こちらは、様々な方が書く選挙についてのコラムが非常に読み応えがあります。例えば、田原総一朗さんの記事です。

「自民党大勝」のその先に(田原総一朗)|ポリタス 衆院選2017ーーそれでも選ぶとしたら

こういう言い方が正しいのかは分かりませんが、選挙や自分の生きる社会にドラマを感じられるような記事がたくさんあって、とても面白いし読み応えがあります。

 

また、リメイクブランド 『途中でやめる』の山下陽光さん(『バイトやめる学校』という本も書かれています。)の一連のツイートからも思いました(ひとつ引用させていただきます)。自分が支持したい政党や政治家に勝ってほしい、または、単純に興味を持って欲しいと思った時に、すべきことはやはり、政治に興味の無い人への批判ではなく「提案」なのではないかと。 

 

自分がしたいこと

今回私が思ったのは、厳しさより優しさが人の心を動かすのではないかということと、政治を見ながら、社会を見ながらも、すぐには変わらない世の中で、これからも生き方についてたくさんの人と話したいということです。

 

津田大介さんや徐東輝さんのように、現在の政治を分かりやすく伝えているメディアをこれからも読みたいし、政治家で応援したい方もいます。

 

政治について残念に思うところもあるけれど、すぐには変わらない社会の中で、自分なりの生き方を、好きなことをして生きるという方法を、これからも模索したいし、いろんな人と考えていきたいです。

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