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BANANA FISHの結末を小6だった私はどうやって受け止めたんだっけ

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 昨日、おふみさんのこの記事を読んで、改めて漫画『BANANA FISH』のことを考えていました。

(以下ネタバレあります。)

『BANANAFISH』は『別冊少女コミック』にて1985〜1994年まで掲載されていました。

 

『BANANAFISH』に出会った頃

私がこの作品を知ったのは、ちょうど連載が終わったすぐあとで、当時小学6年生でした。

当時私は少女漫画が大好きだったのですが、同世代が読んでいるような漫画以外に面白い漫画は無いのかなあと思って、小学校の先生におすすめの漫画を聞いたところ、『BANANA FISH』と『はじめちゃんが一番』を教えてくださいました。(『はじめちゃんが一番』も大好きなので、またどこかで記事に書きたいと思います。)

 

先生は別コミの連載を読んでいたのだと思います。ちなみに新卒の男性の先生でした。お兄さんみたいな感じで、とても人気の先生でしたね~。

当時、自分も含めみんなが読んでいた月刊誌は『りぼん』が一番人気。その次に『なかよし』『マーガレット』『ちゃお』と続きました。数人『花とゆめ』を読んでいた子がいたかなあ。それらの漫画も勿論好きだったのですが、誰も知らない漫画が読みたかったんですよね。

 

『BANANA FISH』を知った当時、連載は終わっていたので、今ならば漫画喫茶で全巻読みに行くところですが、また、大人だったら全巻まとめ買いをするのかもしれませんが、23年前、かつものすごく田舎に住んでいた私は(今も住んでいますが)、たまに出かける時に月1~2冊くらいのペースで少しずつ集めていったのだと思います。(お正月にお年玉でまとめて買ったりした時もあったのかな。。。)

 

こどもだった私が抱いた憧れ

それまで読んでいた漫画は、『天使なんかじゃない』とか『こどものおもちゃ』とか『水色時代』とか『レイアース』とか。あ、でも、『SLAM DUNK』と『幽遊白書』だけは少女漫画しか読まない子も、ほぼみんな読んでいました。(るろ剣はもうすこし後。)

 

そこにきて『BANANA FISH』は、ドラッグとか銃とかニューヨークとかマフィアとか国家機密とか、IQ210の主人公アッシュが無敵すぎる戦いの数々がただひたすらにクールすぎることとか、何もかもがただことじゃなく新鮮すぎて、12歳の私はこの漫画にとんでもなくのめり込みました。

わかりやすいかっこ良さにただ惹かれる年だったので、私は、行ったことのない国の知らない文化の中で、ただひたすら強すぎるクレバーすぎる美しすぎるアッシュの虜でした。

 

意外に最後をすんなり受け入れられた気がする

この漫画の最大のテーマはやっぱり「愛」だと思うんですよね。いろんな形の愛。友達・家族・仲間・異性・同性の間にある愛。

そういった愛情が、自分の力ではどうしようもないものに阻まれたりしてしまったとき

例えば、アッシュがショーターを射殺するしかなかったとき

ここもとても辛いシーンなのですが、たぶん、たしか、物理的な現実に愛情の深さは殺されたりしないというようなことを思ったと思うんですよね、私は。

当時こんな言葉は言っていないと思いますが、趣旨としてそういうことを感じていたんだと思います。

 

最後のシーン、アッシュが英二の手紙を読んで、自分は英二といるべきではないと思ったのに、英二の手紙に心を動かされて、動かされたのに、端的に言うとそのせいで死ぬことになってしまったことを、当時の私は、「でもアッシュは死ぬ最後に幸せだったんだ」とひたすら自分に言い聞かせていました。たしかそうだったと思います。

 

たくさんの大事な人を失ってきた人生、自分がいつ死ぬかも分からなかった人生、平穏とはほど遠かった人生、人に心を開くことができなかった人生の最後に、ただ一人最愛の友人に出会えたことは、その愛情の深さは、どんなことに阻まれても永遠に生き続けるんだなあと、番外編で成長した英二とシンが当時を回想するシーンを見て思いました。

当時こどもだった私は、英二がこのどうしようもなく辛い人生の節目に、自分なりの折り合いをつけながら、つけずにいられながらも、カメラマンを志してそれを生業にもしながら、ただ静かにおだやかに生きていることに希望を感じたんだと思います。

ああ、何があっても人はこうやって生きていけるんじゃないかと、それは、シンの力も大きいと思うのだけれど、私もこれからの人生で何が起きても、自分なりに立ち向かって立ち直っていけるんじゃないかという趣旨のことを思ったんだと思います。

 

当時、10代なんてどうしようもなく些細なことがすべておおごとで、常に生きづらさを感じていた自分は、(高校を卒業する時いろんな先生に、「これから生きづらいとおもうけどがんばれ」というようなことを言われた。)毎日ただひたすらに不安要素は消えなくて、アップダウンのとてもきつい道を歩いていたような気がします。

そんな時に漫画に支えられていたし、人生の教訓みたいなものも自分の解釈をしながら学びとっていたような気がします。

 

そんなBANANA FISHがアニメ化だそうです。その情報を見てから自分も改めてBANANA FISHのことを思い返してみました。

全巻持っていたのですが、イラスト集も持っていたのですが、手放してしまい、最後に読んだのは数年前なのですが、アニメが始まる前に全巻読み返したいです。今だと違った感じ方もたぶんあるでしょう。

 

やっぱり漫画っていいなあと思いました。今の時代は漫画喫茶にいつでも行けるなんて最高すぎますね。自分がこどもの頃にあったらどうだったんだろう。ここまで一つ一つの漫画を大事に読まなかったかもしれません。

 

こどもの頃少ないお金でどうにかこうにか集めたものとか、その時感じていた価値を、大人になって同じように感じることはものすごく難しいことで、経験が増えれば新鮮なことはどんどん少なくなっていくし、だいたいのことがお金で解決できてしまうのだけれど、こどもの頃に感じたあの尊さに近いものを、私は今も探しているんだなあと思います。

 

 

 

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