ココロサードプレイス

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林伸次『ワイングラスのむこう側』

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cakesという、様々なジャンルの方がたくさんの記事を投稿しているサイトがあります。私はここで、いつも人気記事ランキング上位にいるbar bossaというバーのマスター林伸次さんのことを初めて知りました。

cakes.mu


そんな林伸次さんの本が出版されました。このcakesの記事をまとめたものです。


さて私は、好きな人がお店をやっていたりなんかしたら行ってみよう!と思うタイプです。山梨の端(長野との県境)に住んでいますが、東京にはよく行くので、bar bossaには、もちろん行ってみたいと今も思っています。

という私が未だにbar bossaにまだ行っていないのは理由がありまして、それはbar bossaのHPにもこのように書いてあるとおり

・・・・なお、大変申し訳ありません、お一人の方はお断りしております。
http://www.barbossa.com/


そう、一人では行けないのです。
何故か?というのはまた後ほど。

bar bossaに行きたくても行けない私の行動パターンを振り返ってみましょう。

私は山梨県出身ですが、19~28歳まで、埼玉県と東京都に住んでおり、東京は墨田区に4年、中野区に2年程一人暮らしをしていました。

いろいろあって山梨に帰ってきたのですが、今でも東京に行く時に飲む場所は、当時も通いつめていた高円寺。あと職場の系列店があった新宿界隈、または友人が多く住む吉祥寺~小金井など23区外。もしくはもっと以前に働いていた浅草界隈もたまに行きます。下北沢もたまに行くかな・・・。そう、渋谷って殆ど行かないんです。東京に住んでいたときも、渋谷エリアはどうしても用事があるとき(主にライブ)頑張って行く、という場所でした。今でもたまに行くとよく道に迷います。高円寺に帰ってくると落ち着くな~と思います。

そして私は、一人で行動するのが好きなんです。東京に行くとき、友達の家に泊まってもいいのだけれど、絶対ホテルをとります。行き慣れた場所へライブを観に行ったり友達と会ったりして、その後は一人ホテルに帰って一人の時間を過ごすのが好きなんです。

だれかを誘ってbar bossaに行くということが、なんとなくハードルが高いのです。場所とか、なんとなく予想できるお店の雰囲気とか、そこへだれかと行くということが。

なぜbar bossaがお一人様お断りかというと、以前林さんがcakesの中で説明されていたのはたしか、例えば男性一人のお客様が女性のお客様に執拗に話しかけたりして、そのお客様がもう来なくなってしまったりするとお店としては困ってしまう・・・とか、例えば女性が一人で毎日通いつめて常にカウンターにいるっていうのもちょっと困ってしまう・・・という趣旨だったと思います。(違っていたたらすみません。該当記事を探そうと思ったのですが、多すぎてみつけれられませんでした。)

さて、突然ですが、私は今日まで生きていきて、最近になってやっと「なんとか世間と折り合いが付くようになったぞ」と思っているところがあって、まあ、簡単に言うと「生きやすくなった」と思っています。

以前の私がどういう人間だったかというと、もしbar bossaがおひとり様OKだったら、例えばしょっちゅう通いつめてカウンターを陣取ってしまっていそうな、そして誰かを連れてきた日には、知ったかぶりをしておかしな注文をしてしまいそうな、いわゆる「イタい」人間だったということです。


自分がなんでそういう人間だったのか、でもそれをどうやって改善・克服していったのか、ということは、ここでもよく書いているのだけれど、なかなかに苦労してきたものがあって、

そう、その頃の私がこの本に出会っていたらなあ・・・と思う本です。

そうかあ、バーで注文するときは知ったかぶらないで素直に自分の思っていることを言えばいいのか・・・とか、ああ、言えないことを言うためにバーを選べばよいのか!とか・・・

でもそれは、バーでの振る舞い方というよりは、人として最低限必要なことであったり、より魅力的な人間になれる要素であったり、より日々が楽しくなりそうな知識だったり・・・知らなかったバーのあれこれや、そこで繰り広げられる恋愛模様や林さんの分析を読んでいると、もう自分のなんでもない日常が楽しくなってくるんです。

こうして田舎の山の中でひとり読んでいたって抜群に面白いわけなんです。

時にはお酒の力を借りて、言えないことを言いたいですね。それは明るいお店で仕事の愚痴なんてこぼすんじゃなく、適度な暗さと心地よい音楽のなかで「今なら言える」という気持ちを、心の中で出番を待っている言葉をたぶんみんな持っていて、それはきっと今日、言うべきだったんだなって、言えてよかったなって、後からも思えるような時間を作りに行きたいですね。そして言えなくても、それもまた、いいのですけれどね。

一緒にbar bossaに行きたい人を決めました。

いつかのその日を楽しみに。